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2009/05/15

19 税務署が選ぶのはこういう会社(対象外編)

第19回 税務署が選ぶのはこういう会社(対象外編)

音声ファイル
19 yada090515.mp3をダウンロードする


 前回、前々回と調査対象になる会社について紹介しましたが、今回は対象外の
会社について付け加えておきます。
 また、調査官は、調査において、何を一番必要としているかについて補足して
おきます。


(6)調査の対象外の会社もある

 それは、創業3期目までの会社です。まず、税務調査はありません。

 最近、経済産業省の支援や法務省の姿勢が柔軟になり、資本金1円でも会社を
作れるようになりました。
 そのため、不景気で倒産・閉鎖する会社は多いものの、新規設立の会社も増え
てきています。
 新規で小規模な会社というのは、たいてい、お金の流れを把握するのは得意だ
けど、帳簿づけや申告は苦手ということが多いものです。

 調査官としては、修正申告をさせて、追徴課税、延滞税をとりたいと考えてい
るわけですから、こうした新規の会社は本来狙い目なわけです。
 しかし、話はそうは簡単ではありません。

 税務署も年間計画があり、どの会社を調査対象にするかを決めています。
 いわば、社内決裁がきちんと取られているわけで、適当に「ちょっとあの会社
にいってみようか」という直感的な調査が主体になっているわけではなりません。

 役所では、民間企業よりも、一度決裁したことを遂行するということを重要視
されています。
 税務署は他の役所に比べれば、かなり柔軟性が高いとは言え、役所の事業管理
というのは基本的に書類と決裁です。
 となれば、調査会社の選定というのは大きな問題となるわけです。

 新規の小さな会社というのは、一説によれば、3年以内に半分解散していると
いう話もあります。
 もし、税務署が、そういった会社を調査対象にしていたとしたら、まず間違い
なく事業計画が狂うことになります。

 したがって、好き好んで、新規の小さな会社を選定する可能性は非常に低いと
いうことになるわけです。

 もちろん、大企業や中堅企業の子会社などは別ですが。


(7)調査に必要な者は何か

 税務調査に必要なものは、実は、代表取締役です。

 なぜなら、申告書を提出するのは、通常、代表取締役ですから、税務調査を受
けるのも代表取締役となるからです。

 調査官としては、この最終責任者を捕まえなければ、修正申告をさせるどころ
か、調査もできません。
 代表取締役がいなくなってしまった会社については、いくら反面調査をしたり、
銀行から通帳の記録を取り寄せても、調査自体ができなくなってしまうのです。

 ここで、捕まえるというのは、逮捕するということではなく、居場所を突き止
めて、話し合いの機会を持つという意味です。

 従来は、風俗関係の会社に多いとされていたのですが、最近は、投資目的の会
社が莫大な利益を得ながら解散したり、介護事業者が介護保険収入を受け取って
すぐに解散するケースも増えています。
 こういったケースでは、往々にして会社のお金を個人口座や従業員の口座に隠
してあることがあります。
 当時の代表取締役を捕まえて、調査を進めることで、追徴課税したり差し押さ
えたりすることが可能になってくるわけです。

 税務署としても困ってしまうケースもあります。
 実質的な経営者が、まったく事業と関係ない人やホームレスから住民票や印鑑
証明書を買って、形式的に社長にしたててしまうことがあります。
 社長を捕まえても、明らかにその人が実質的責任ではない場合、申告や納税に
関する責任を追及することができず、税務調査上行き詰まることもあるわけです。


(8)調査後の対応

 さて、一般的な話に戻りましょう。
 調査という、ある意味、天災のようなものが降りかかってきたときは、その捕
らえ方によって、その後の経営によい影響を与えることもありますし、悪くする
こともあります。

 税務調査では、調査官は代表取締役と会って、最初に会社概況をヒアリングを
したり、調査中に質問したり、調査後には、指摘事項・修正事項を承諾してもらっ
て、修正申告に応じてもらおうとします。

 社長の立場からすれば、税務調査に立ち会って、ヒアリングを受けなくてはな
らないということになります。
 もちろん、経理部長や顧問税理士に説明させることはできますが、最終責任者
であり、修正申告などにはんこを押すのは代表取締役です。

 ですから、逃げるという態度よりは、調査結果を前向きに捕らえ、今後指摘さ
れないように守りの態勢を整えるという発想転換をしていただきたいと思います。
 そもそも、税法という社会制度に反していたから指摘されているわけですから、
真摯に受け止め、法律を守るのだという態度を社長が取ることが大切です。
 そのことが、他の役員や従業員に対しても、ルールを守るというメッセージを
伝えることにもなります。

 逆に言えば、リーダーが、「見ていないのだから何をしてもいい」という態度
をとると、役員や従業員も会社の財産を損ねるような考えを持ったり、行動をと
るようになります。

 会社の雰囲気を変えようとか、制度を見直したいと思っていたならば、税務調
査の連絡を受けたとき、ひとつのチャンスになるかもしれないというポジティブ
な方向で考えて見られることをオススメします。
 また、顧問税理士やコンサルタントにも、日ごろから、そういった可能性につ
いて語っておくことも、会社をよりよくする上で有効だと思います。


 さて、今回はこれくらいにしておきましょう。
 次回は、調査の種類についてお伝えします。

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