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2009/05/29

20 調査の種類とは

第20回 調査の種類

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20 調査の種類
 マルサと呼ばれる強制捜査とマル調と呼ばれる一般的な任意捜査とがあります。
 マルサとは、国税査察官調査のこと、マル調とは、税務署調査官調査のことで
す。

 マルサの場合、国税反則取締法に基づいて、裁判所の許可を得て捜査を行いま
す。従って、納税者の承諾など得なくても、捜査ができます。
 近所の税務署の人たちが来るのではなく、国税庁の国税専門官と呼ばれる人た
ちが、捜査令状をもって捜索・差押などを行っていきます。

 一方、マル調は一般的な任意捜査で、通常は、事前通告をした上で、調査にき
ます。
 ただ、「おたくは現金を扱っているので、現金確認のために抜き打ちできまし
た」などと言う調査官もいます。

 抜き打ち捜査については、突然のことですので、仕事に出かける際に来られて
も困るわけで、そのときについては断ることができます。
 もちろん、後日、日程を設定して受けることにはなりますが。

 調査を拒否できるのかという問題がありますが、税務署が必要と認める調査に
ついては、納税者は拒否できないことになっています。
 これを「受忍義務」と呼んでいますが、迷惑だけど我慢する義務というものが
あります。

 あくまでも拒否する人もいますが、結局、金融機関を調査して取引先をつきと
め、そこに対して反面調査をしに行きます。
 取引先としては、自分の調査でも、関係者の調査でも、大事な時間をとられて
しまうことに変わりはありませんので、ビジネス上の損害であることにかわりは
なく、総じて、調査対象の会社のイメージが下がってしまいます。
 それを嫌って、しぶしぶ調査に応じる会社も少なくはありません。

 ただ、冷静に考えてみれば、税務調査が定められている以上は、受忍義務があ
るのは当然でもあります。
 となれば、受けることが決まっているのだから、上手に立ち回った方が、ビジ
ネスというものでしょう。
 調査官もしがない公務員です。人の子です。たたけば、それなりに抵抗を受け
ることにもなりかねませんので、少なくとも怒鳴りつけるようなことのないよう
に心がけていただければと思います。

 ちなみに、調査官の中には、稀にではありますが、怒鳴ったり机を叩く人もい
ます。そのような場合は、すぐに税務署に苦情の電話をしましょう。
 窓口は「総務課」です。苦情や税務訴訟の窓口になります。
 もっとも、怒鳴るような調査官は、税務署でも扱いに困っていることが多いよ
うです。
 勢いに圧倒され、弱気になって、指摘事項を承諾してしまうことが、相手の思
う壺です。
 相手は国家公務員です。調査に行きすぎがあれば、職権乱用で逮捕されること
だってあります。
 調査官がヒステリックになったときこそチャンスだと思ってください。すぐに
税務署に連絡し、淡々と事実を伝え、調査官の交代、上司の来場を要請するなり
して、調査を正常化するよう求めてください。

 納税者側が大人の対応を見せると、調査官は大人しくなります。もともと、激
して見せるような調査官は気が小さいか、相手を動揺させる作戦なのですから。

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2009/05/22

危機を超えて/伊藤元重 ~ 今さらですが伊藤元重を読んで

危機を超えて 伊藤元重 講談社 1,200円 090223発行
読書日:2009.5.1

一言でいえば、世界大不況の中で、日本の不況はどう生じているのかを説いた一冊。

伊藤元重氏といえば、加藤寛氏に並んで、経済学の入門書の大家とも言える人だ。
会計士試験を受験する20年ほど前に読んだ記憶がある。
そういった著者が、最近どんな内容の本を書いているのだろうかと思って読んでみた。
まあ、一般的な経済評論家レベルの内容だったので、ほっとしたような、物足りなような。


印象的な箇所がいくつかあったので、紹介したい。

<金融機関への公的資金の注入>
 これをしないと、預金者の取り付け騒ぎがおきる。銀行は、払い戻しに対応するために貸しはが
しをすることになる。
 消費者のタンス預金と企業による投資抑制が生じ、当然GDPが落ち込み不景気のスパイラルに
突入する。

 アメリカにおける1929年の大恐慌を見ての対策であり、その二の舞になることを避けての行動だ。
 2008年9月のリーマンショックでとった米国の対応、および、日本国内での第二地銀やJA農協
などへの政府支援の態度が功を奏する形となった。

 言われてみればシンプルな内容なのだが、意外とマスコミ報道や経済本では、こうした流れが書
かれていない。
 複雑そうなものを簡単に書くところが、本当の意味での頭のよい人なのだろう。


<消費税を上げても不況にはならない>

 同氏は、日本の不況は、円高修正による面もあるが、それ以上に日本政府の財政不安からくる国
民の将来不安への表れとしている。

 彼自身が58歳であることからも、実感として持っている感情なのだろう。
 確かにそうだと思う。
 リーマンショック以来、宝石や高級腕時計が売れなくなっているのは報道で知るより以前に、
私の周囲でも聞くところである。
 たとえば、ソーシャルダンス・スクールの生徒が急速に減っていることからもわかる。
 ダンス・スクールは、レッスンだけでは済まず、ホテルでの発表会(デモンストレーションと言うらしい)
への参加にあたり、きらびやかな衣装とパーティー券を購入(配布)しなければならない。
 さすがに応援団がひとりもいないというわけにいかないのだろう。

 将来不安が景気回復の障害となっているのであれば、この不安を払拭するには、日本政府の財政
不安が解消されればよいという理屈になる。

 政府の具体策としては、消費税を20%に引き上げることが試算として提示されている。
 同氏によれば、これで将来見通しがつくのであれば、今以上の不景気にはつながらないだろうと
している。

 消費税については、低所得者層への配慮がうたわれるところだが、貯蓄をため込んでいる高額所
得者からも、また、税務署が捕捉しきれない脱税者からも、あまねく徴税できる仕組みであり、必
ずしも悪いとは言えない。
 要は、道具を目的にあわせて上手に使えばよいということだ。

 個人的には、日用品への軽減税率を設定するよりも、定額給付金やら所得税の低率減税などで、
低所得者層に配慮すればよいと考える。
 思うに、消費者が家計の収支を考える上では、どちらの方策でも必要水準までは消費が増えるが
、それ以上は増えず、どんな方法をとっても最終的な一般消費財への消費水準はあまり変わらない
とうからだ。
 消費者は賢く消費行動をする。贅沢品については広告に煽られて衝動買いすることもあるが、日
常の消費については、あまり大きなインパクトを与えることはない。

 逆に、業者側、生産者側において、日用品を作った方が儲かるというような思考に陥れさせない
ようにした方がよいだろう。
 結局のところ、薄利多売で利益を稼ぐのは厳しく、その結果、研究開発分野が立ち遅れる可能性
がある。

 日本は技術立国でしか生きていけないのだから、電気、機械はもとより、特に今後の特許競争が
激化する農業や医薬、化学の世界で十分に研究開発費を確保できるよう配慮する必要がある。
 また、日用品ではない部分に環境産業、いわゆるエコ商品が数多く含まれている点にも配慮しな
くてはならない。
 つまり、消費税の軽減税率が適用されない日用品以外の分野では、相対的に消費がされにくくな
る。この分野での研究開発も継続していってもらいたい。
 そういう意味で、消費大国のアメリカや、観光事業や金融市場、あるいは、アジア諸国の下請け
で成り立っているようなEU諸国のマネする必要はないと思うのだ。

 伊藤氏も、医療、住宅、雇用政策、教育・研究という分野は、政府が関与しないと大きな市場に
なりにくいとしている。
 そのため、政府がディマンドサイドを牽引し、市場がサプライサイドを管理すればよいだろうと
いう結論を導いている。
 結局のところ、従来の日本の財政投融資政策を踏襲すればいいという、ケインズ経済学から出て
いないというところか。

 確かに、時代は「剥」の時代。すなわち、張りぼて部分、お化粧部分が剥がれ落ちている時代だ。
 そういう意味で、下手な金融政策をとらず、また、一般投資家(消費者)も実体を知らないような
金融商品に乗せられずに、行動すればいいと言えるのではないだろうか。

 剥がれ落ちた後には、それこそ、文科省が言う「個性」の時代がくるだろう。と言うより、それしかない。
 最後には自分自身が武器になるわけで、自分の特性や特技、強み、価値観、あるいは、自分があ
こがれているものをしっかり意識して、自分の成長をはかればよい。
 しかも、そういったものは、自己啓発セミナーなどで自分探しをするものではなく、日頃の勉強
や仕事、活動の中で、自然に特徴が明らかになってくる。そこを自分で、あるいは、周囲の人から
定期的に聞き取ることを続ければいい。

 みんなが幸せになれるようにと願って、多くのNPO、財団・社団が設立されているが、まずは、
人の世話より自分を知り、自分や家族の面倒をしっかりみてもらいたい。
 自然や他人の世話をするとことは、実は、自分が一番癒される。しかし、その段階に至るには、
まずは、自分自身が一通りの成長や責任を果たして、その御褒美として、他の世話をしたらよい。

 そもそも、生物は、自分の子孫繁栄をしたら命を失うのが常である。
 人間だけだろう。子が成人しても生き残り、自活しなければならないのは。

 確かに、基本的な認識は小学生くらいから身につける必要はあるだろう。たとえば、エコ教育や
金銭教育を小さいころから施しておくなど。
 しかし、非営利活動は、まさにマンパワーが必要だ。子育てを卒業したと自他ともに認められる
段階の人が行えばよい。

 近年、社会起業家ということばが出てきている。
 しかし、本来の個人として、社会の一員としての務めを果たしていない者を集めても、逆に社会
貢献にならないと感じる。
 子孫繁栄の責任から解放された、具体的には、定年退職を迎えたビジネスマンや子育てから解放
された主婦をとりまとめる役割を担うものであろう。
 となれば、若年層による社会起業家は高度なコミュニケーションと老人心理学、貢献分野の専門
知識を持ち合わせている必要がある。

 一見、社会的意義が高そうなだけに、あこがれだけでNPOや社団を設立しても苦労するだけで
ある。
 非営利でも、継続させることができなければ、頼りにしている人たちに対して、結果、迷惑をか
けることになるのだから。

 会社にすると営利目的だから、お金をもらって社会貢献するのはおかしいなどという者がいる。
 しかし、その考え方自体に無理がある。
 どんな形でも他人や人類によいと思われる影響を及ぼせば、それが社会貢献である。
 先行きの資金計画がいい加減で崩壊しそうなNPOや社団を立ち上げるよりも、軽い気持ちで会
社を設立する方が、よっぽど、確実に社会貢献できるだろう。
 結束や管理が中途半端な組織は崩壊しやすい。それにくらべ、零細企業の方が、よっぽどつぶれ
にくいという事実がある。

 そして、税金を多少払うこと。
 前述の金融機関への公的資金注入で、金融恐慌を防いでいる。その原資は当然に税金である。
 企業家であれば、お金の流れが止まれば、事業が立ち行かなくなる。そのための予防線として、
ある程度の税金を納めることは必要だろう。
 税金への知識が高ければ、納める税額を調整できる。つまり、払いすぎる必要はないが、過度な
節税が脱税を招くことも防げるようになる。

★印紙税のウラワザ★
http://www.jiyugaoka.jp/inshi/index.html
★小さな会社の節税ダイエット★
http://www.jiyugaoka.jp/taxdiet/index.html

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2009/05/15

19 税務署が選ぶのはこういう会社(対象外編)

第19回 税務署が選ぶのはこういう会社(対象外編)

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 前回、前々回と調査対象になる会社について紹介しましたが、今回は対象外の
会社について付け加えておきます。
 また、調査官は、調査において、何を一番必要としているかについて補足して
おきます。


(6)調査の対象外の会社もある

 それは、創業3期目までの会社です。まず、税務調査はありません。

 最近、経済産業省の支援や法務省の姿勢が柔軟になり、資本金1円でも会社を
作れるようになりました。
 そのため、不景気で倒産・閉鎖する会社は多いものの、新規設立の会社も増え
てきています。
 新規で小規模な会社というのは、たいてい、お金の流れを把握するのは得意だ
けど、帳簿づけや申告は苦手ということが多いものです。

 調査官としては、修正申告をさせて、追徴課税、延滞税をとりたいと考えてい
るわけですから、こうした新規の会社は本来狙い目なわけです。
 しかし、話はそうは簡単ではありません。

 税務署も年間計画があり、どの会社を調査対象にするかを決めています。
 いわば、社内決裁がきちんと取られているわけで、適当に「ちょっとあの会社
にいってみようか」という直感的な調査が主体になっているわけではなりません。

 役所では、民間企業よりも、一度決裁したことを遂行するということを重要視
されています。
 税務署は他の役所に比べれば、かなり柔軟性が高いとは言え、役所の事業管理
というのは基本的に書類と決裁です。
 となれば、調査会社の選定というのは大きな問題となるわけです。

 新規の小さな会社というのは、一説によれば、3年以内に半分解散していると
いう話もあります。
 もし、税務署が、そういった会社を調査対象にしていたとしたら、まず間違い
なく事業計画が狂うことになります。

 したがって、好き好んで、新規の小さな会社を選定する可能性は非常に低いと
いうことになるわけです。

 もちろん、大企業や中堅企業の子会社などは別ですが。


(7)調査に必要な者は何か

 税務調査に必要なものは、実は、代表取締役です。

 なぜなら、申告書を提出するのは、通常、代表取締役ですから、税務調査を受
けるのも代表取締役となるからです。

 調査官としては、この最終責任者を捕まえなければ、修正申告をさせるどころ
か、調査もできません。
 代表取締役がいなくなってしまった会社については、いくら反面調査をしたり、
銀行から通帳の記録を取り寄せても、調査自体ができなくなってしまうのです。

 ここで、捕まえるというのは、逮捕するということではなく、居場所を突き止
めて、話し合いの機会を持つという意味です。

 従来は、風俗関係の会社に多いとされていたのですが、最近は、投資目的の会
社が莫大な利益を得ながら解散したり、介護事業者が介護保険収入を受け取って
すぐに解散するケースも増えています。
 こういったケースでは、往々にして会社のお金を個人口座や従業員の口座に隠
してあることがあります。
 当時の代表取締役を捕まえて、調査を進めることで、追徴課税したり差し押さ
えたりすることが可能になってくるわけです。

 税務署としても困ってしまうケースもあります。
 実質的な経営者が、まったく事業と関係ない人やホームレスから住民票や印鑑
証明書を買って、形式的に社長にしたててしまうことがあります。
 社長を捕まえても、明らかにその人が実質的責任ではない場合、申告や納税に
関する責任を追及することができず、税務調査上行き詰まることもあるわけです。


(8)調査後の対応

 さて、一般的な話に戻りましょう。
 調査という、ある意味、天災のようなものが降りかかってきたときは、その捕
らえ方によって、その後の経営によい影響を与えることもありますし、悪くする
こともあります。

 税務調査では、調査官は代表取締役と会って、最初に会社概況をヒアリングを
したり、調査中に質問したり、調査後には、指摘事項・修正事項を承諾してもらっ
て、修正申告に応じてもらおうとします。

 社長の立場からすれば、税務調査に立ち会って、ヒアリングを受けなくてはな
らないということになります。
 もちろん、経理部長や顧問税理士に説明させることはできますが、最終責任者
であり、修正申告などにはんこを押すのは代表取締役です。

 ですから、逃げるという態度よりは、調査結果を前向きに捕らえ、今後指摘さ
れないように守りの態勢を整えるという発想転換をしていただきたいと思います。
 そもそも、税法という社会制度に反していたから指摘されているわけですから、
真摯に受け止め、法律を守るのだという態度を社長が取ることが大切です。
 そのことが、他の役員や従業員に対しても、ルールを守るというメッセージを
伝えることにもなります。

 逆に言えば、リーダーが、「見ていないのだから何をしてもいい」という態度
をとると、役員や従業員も会社の財産を損ねるような考えを持ったり、行動をと
るようになります。

 会社の雰囲気を変えようとか、制度を見直したいと思っていたならば、税務調
査の連絡を受けたとき、ひとつのチャンスになるかもしれないというポジティブ
な方向で考えて見られることをオススメします。
 また、顧問税理士やコンサルタントにも、日ごろから、そういった可能性につ
いて語っておくことも、会社をよりよくする上で有効だと思います。


 さて、今回はこれくらいにしておきましょう。
 次回は、調査の種類についてお伝えします。

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2009/05/10

スローシンキング/安藤雅彦著 ~ こういうのもたまにはいいかも

要するに、限られた情報下において、いかに答えを模索するかという話。

カリスマ編集者・土井英司氏のメルマガで知った本。
本は、読む人にとって、役に立ったり、不足だったり、すでに知っている内容だったりする。
土井氏の推薦書はビジネス書中心なのだが、やはり、最近の本は既知の内容であることが多い。
たまに、古典的な経営書を推薦してくれる。どちらかというと、そちらの方が役立つ感じもする。
時代が、本質的なものを求めているから、そう感じるのかもしれないが。

さて、本書では、自然科学における様々な疑問の回答を導くには、かなりの思考する時間や努力が必要だったと述べている。
現代人は、簡単に答を求めるが、結局は身につかないことを指摘している。たとえば、テレビのクイズ番組。その場では、考えた気になるが、答えを聞いた瞬間、すべてを忘れてしまう。

確かに、最近の著者は一般人であり、「答えはこれです」と書いて読みやすくしている。
それを読んで、わかった気になっている人が多い。
自分のビジネスで、実際に適用、応用してみると、突然に自分の経験・蓄積になるのだが、やはり、夢を見たいだけの読者が多いのだろう。
ビジネス書を支えているのは、一部のヘビー・ユーザーだということからも納得できる。


印象的な部分があった。
著者は、人生は小さな決断の積み重ね。大きい決断で決まるわけではないので、軌道修正ができると述べている。
当たり前のようだが、昨今、一発勝負で成功できるテクニックを販売したり、そういった本が多く発行されている今となっては、新鮮に感じられる。
著者の言うとおりだと思う。ということは、たいていの場合、一発勝負で成功をつかむということはなく、人生は地道な努力の積み重ねであるということになる。

たしかに、自分の生活に満足している人は、たいてい、自分を知り、地道に積み重ねている人が多いように思う。
ここで言う「自分を知る」とは、自分の性格、価値観、強み、特技、心から大切にしていることなどを認識すること。
そういったものは、何でもいいから目の前の仕事や課題に取り組むと、自らわかってくる、感じてくるものだ。


著書では、人は人を家畜化している、毒の多い環境で生活している、マニュアルを作る人・従う人、など、人間社会で生活する自分たちを一歩離れた視点からコメントをしている。
地球の外から見ると、ちょっと変なことしているんじゃないかとも見えるわけだ。

著者は河合塾の地学講師で、猛烈にがんばっている受験生や卒業生でビジネスマンになった人たちを、側から見てあげる立場にある。
そのためなのだろう、メタフレームとでも言うのだろうか、俯瞰的な視点を提供してくれている。

日頃からビジネス書や自己啓発書を読んでいる人にとっては、急いで読むことも無いだろう。図書館に予約しておいて、届いてから読めばいい本だと思う。

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2009/05/07

グローバルリーダーの条件/大前研一 ~ 努力ときっかけが大切

グローバルリーダーの条件 大前研一、船川淳志 PHP 1,300円
2009.5.7発行 読書日:2009.5.1

要するに、ニュアンスの伝わる英語が話せないといけないよ、英語屋に振り回されるなという話。

特段、この本を読んだから年収が上がるとか、出世できるという話ではない。
彼の武勇伝を読んで、元気を出したい人、共感したい人にはオススメできる。


大前氏は、学生時代に、クラリネットを買う金がほしくて、高給の通訳ガイドをした。
そこで、外国人を相手に要望を聞いたり、彼らをまとめたり、実地でコミュニケーションを鍛えた
というのが話の要諦だ。
(ちょっと言い過ぎかもしれないが)

竹中平藏氏へのコメントもあった。
incluseではなく、excluseという言葉を使いたがるとか、大前氏の話を外国人からの情報で得たな
ど、エリートらしい言い回しをしているところが印象的だった。
字面だけではわからない「ニュアンス」が伝わってくる。

船川氏が、「おわりに」おいて、頭のいい人ほど慎重で、正論を説いているが、最初の一歩が踏み
出せないでいると記している。
会社内で、「こういうアイディアがありますよ」と発言すると「じゃあ、あなたがそれをやって」と言われる。
頭のいい人はそこで躊躇してしまうのだが、そういった人に「それでいいじゃない」と励ましてあげると、
一歩進むことができるといったようなくだりがある。

結局のところ、発言内容に責任をもてないならば、発言してはならないわけだ。
下手なエリート意識をもっているから、「俺が考え、おまえがやれ」という考えになる。官僚的だ。

日本の政府が小さな政府になるのか、機能する政府になるのかはわからないが、エリート官僚の
皆さんにも、自分が行動することを前提とした企画を出してもらいたいものだ。

文科省で言えば、自分たちが子どもたちに読み聞かせをするわけでもなく、英語を教えるわけでも
ないのに、そういったカリキュラムを一方的に導入してしまう。
じゃあ、おまえがやれと言われても、読み聞かせや外国人講師の調達は校長がやればいいといって、
大事な部分には関与しない。
そのくせ、PTAは形骸化しているなどと言って、現場の校長が困るような政策を堂々とぶち上げる。
(今、各市町村の教育委員会には、学校支援本部という制度、役職ができている)

法律がそうなっているから、職務分掌制度があるから、と言い訳して直接には行動しない。
確かに、企画と現場が一緒になっていると、お手盛り評価をするリスクもあるから分離しているの
だから悪いとは言えない。
しかし、若手官僚が試みているように、現場の意見を聴取することに力を入れてもらいたい。

本当は、就職する前の学生時代に、学校現場の問題点を研究している人に役所務めしてもらいたい
ところだが、大卒、即、就職という日本の就業形態からして望めないところなのだろう。

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