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2009/05/10

スローシンキング/安藤雅彦著 ~ こういうのもたまにはいいかも

要するに、限られた情報下において、いかに答えを模索するかという話。

カリスマ編集者・土井英司氏のメルマガで知った本。
本は、読む人にとって、役に立ったり、不足だったり、すでに知っている内容だったりする。
土井氏の推薦書はビジネス書中心なのだが、やはり、最近の本は既知の内容であることが多い。
たまに、古典的な経営書を推薦してくれる。どちらかというと、そちらの方が役立つ感じもする。
時代が、本質的なものを求めているから、そう感じるのかもしれないが。

さて、本書では、自然科学における様々な疑問の回答を導くには、かなりの思考する時間や努力が必要だったと述べている。
現代人は、簡単に答を求めるが、結局は身につかないことを指摘している。たとえば、テレビのクイズ番組。その場では、考えた気になるが、答えを聞いた瞬間、すべてを忘れてしまう。

確かに、最近の著者は一般人であり、「答えはこれです」と書いて読みやすくしている。
それを読んで、わかった気になっている人が多い。
自分のビジネスで、実際に適用、応用してみると、突然に自分の経験・蓄積になるのだが、やはり、夢を見たいだけの読者が多いのだろう。
ビジネス書を支えているのは、一部のヘビー・ユーザーだということからも納得できる。


印象的な部分があった。
著者は、人生は小さな決断の積み重ね。大きい決断で決まるわけではないので、軌道修正ができると述べている。
当たり前のようだが、昨今、一発勝負で成功できるテクニックを販売したり、そういった本が多く発行されている今となっては、新鮮に感じられる。
著者の言うとおりだと思う。ということは、たいていの場合、一発勝負で成功をつかむということはなく、人生は地道な努力の積み重ねであるということになる。

たしかに、自分の生活に満足している人は、たいてい、自分を知り、地道に積み重ねている人が多いように思う。
ここで言う「自分を知る」とは、自分の性格、価値観、強み、特技、心から大切にしていることなどを認識すること。
そういったものは、何でもいいから目の前の仕事や課題に取り組むと、自らわかってくる、感じてくるものだ。


著書では、人は人を家畜化している、毒の多い環境で生活している、マニュアルを作る人・従う人、など、人間社会で生活する自分たちを一歩離れた視点からコメントをしている。
地球の外から見ると、ちょっと変なことしているんじゃないかとも見えるわけだ。

著者は河合塾の地学講師で、猛烈にがんばっている受験生や卒業生でビジネスマンになった人たちを、側から見てあげる立場にある。
そのためなのだろう、メタフレームとでも言うのだろうか、俯瞰的な視点を提供してくれている。

日頃からビジネス書や自己啓発書を読んでいる人にとっては、急いで読むことも無いだろう。図書館に予約しておいて、届いてから読めばいい本だと思う。

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