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2009/07/10

第23回 今どきの調査官

第23回 今どきの調査官

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(3)今どきの調査官
 最近、税理士の間でも、調査官の質について話題になっていることが2つあり
ます。
 その一つが、調査官が税理士とのやりとりを上手にできないということです。
 以前は、各調査官も何らかの形で地元の税理士と交流する機会がありました。
宴会の席という意味ではなく、囲碁や野球の対戦とういものもありました。

 また、税務署の建物の中での無料確定申告というのも無くなってしまいました。
 やり方を慎重にしないと国家公務員倫理規定違反に問われるおそれがあるので、
こうした行事やイベントは廃止した方が無難になっているわけです。

 そのために、調査官が社長に陪席している税理士にどうやって声を掛けたり、
駆け引きをしたり、指摘事項について同意を得たらよいのか、コミュニケーショ
ンのやり方に右往左往しています。
 確かに、本来、社長を相手に調査をするものが、社長+顧問税理士なのだから、
単純にコミュニケーションをとるのもややこしいものです。
 その上、顧問税理士の顔もそれなりに立てないと、徹底的に抵抗され、不服申
し立てや税務訴訟に流れてしまう可能性もあります。

 調査官としては、面倒なことになるより、修正申告してもらって、罰金を払っ
てもらうのが一番成績があがるわけです。
 調査開始直後の数時間で、ある程度の人間関係を作りつつ、会社の情報を得て
いかなければならないのですから、それなりの技術や場数が必要になります。

 もう一つが、嘱託の調査官です。
 こちらについては、税理士としてはやりやすいとも言えます。
 森・元首相のe-Japan構想で、署内のコンピュータ化も進み、電子申告の普及
率も上がってきているところです。
 そのためなのか、人口減少のためなのか、予算削減のためなのか、税務署も職
員を減らしています。
 そのような中、調査技術の高い調査官に辞められると、各税務署としての実績
が下がってしまいます。
 そこで、退職した調査官を嘱託で延長して雇用するのです。

 この点は、メーカーの熟練工と同じ事情で、税務署でも課題となっています。
 しかし、技術は高いと言っても、そこは公務員。結局、昇給や昇進などの評価
がないとモチベーションが上がりません。

 また、申告是認してもプレッシャーがかからない立場では、文字通り、血眼に
なって間違いを探そうという気にもなりません。
 相当に調査というものが好きな人でなければ、その能力の100%を駆使して、追
徴課税をとってこようとはならないものです。
 こういう調査官には、静かにお帰りいただくのが一番です。

 どういった調査官であるかを見抜き、駆け引きをして、いかに追徴課税や罰金
を少なく抑えられるかは、顧問税理士や社長の知識や経験、鑑識眼がものを言う
部分でしょう。

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