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2020/02/06

映画:家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。(2018)

監督 李闘士男
主演 榮倉奈々, 安田顕, 大谷亮平

ここでは、映画の中で撒かれた伏線拾いをして楽しんでいます。内容のネタバレにもなりますので、ご了承ください。

結局、妻はどうして死んだふりを続けていたのかという答について、映画の中ではセリフが聞こえない形をとっていて、観ている人に想像させています。そこで、WEB上ではいろいろな答、解釈が挙げられています。こういうスタイルの映画って好きなんですよ。自分が気づきもしなかった感覚を持っている人に合ったような気がして(笑

さて、当然ながら、ここでは私見を書かせていただきます。妻の死んだふり自体は、夫が配偶者(自分)の死に対して悲しみのあまり後を追うようなことはしてほしくないから、若いうちから慣れておいてほしいということと思います。というのも、後半で、妻の父親が急死した母親の後追いをしようと思ったという告白、クリーニング店の親父さんが妻が先だったことに言及したシーンが描かれていますから。

子どもはペットを飼っておいた方がよい、身近な死を受け入れられるようになるから、という話を聞きます。いきなり、家族の死を経験するよりはショックが緩められるのは確かなのでしょう。映画の中では、主人公(妻)が4歳の時に母親が亡くなり、自分もショックを受けたが、ひどくショックを受けた父親を子どもなりの方法で励まそうとした。そんなシーンからも、この映画の主テーマは、家族の死とその影響の大きさと思います。

この映画では、主テーマと並行して、夫婦の関係がなぜ継続するのかについて扱っていると思います。夫婦間に問題があるのに、簡単には別れずに関係が続くのはなぜか。夫婦の関係をテーマにした映画ではよく扱われていて、いまさら触れるほどのことでもないのですが。

夫の同僚の夫婦が抱える課題(5年経っても子どもができない)、主人公夫婦の課題(”死んだふり”や”月がきれいね”の意味がなかなか伝わらない)、上司のそれ(自分が家族の中で邪険にされていても、自分が奥さんを愛している)は、それぞれの夫婦関係が継続する源になっているように思われます。つまり、関係があるから問題が生じるのではなく、問題があるから関係が続く、と。終盤で出てくる結婚当時の回想シーンで、主人公(妻)の父親が、”いろいろ問題を乗り越えていくうちに気付いたら夫婦になっている”と、若いふたりが夫婦として関係を築いていく過程を端的に語っていたように思います。
同僚の夫婦は、話し合いを重ねた結果、ふたりのテーマを抱え続けることを止めて離婚に至ったと語られています。また、主人公の夫の最初の結婚については、元妻が家出をして関係が切れたとされています。簡単にですが、切れ方にもいくつかあると示唆しているように思います。

さて、奥さんが死んだふりを続けてきた理由を考えると、最後のシーンで夫がしたことは、奥さんを本気で怒らせたことでしょう。ご飯抜きは当たり前ですね(笑

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