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2020/03/12

映画 告白 2010

ジャンル サスペンス
監督 中島哲也
主演 松たか子, 岡田将生, 木村佳乃

 子どもを生徒に殺された担任の女教師が犯人やクラスの生徒たちに対して心理的に復讐していく話。

 昨年2019年に上映されたマスカレードホテルでも、復讐する女として、松たか子が登場していましたね。
 すっかり復讐する女がはまり役になった感じがします。

 本作品では、事件をめぐる登場人物について、それぞれの思い、思考を同時並行的に描きながら、事件の真相を明らかにしていくという話の構成になっています。

 ネット上での作品への感想は概ねよくないですね。技術的にではなく、観ていて気持ち悪くなるというもの。
 たぶん、殺したい相手ではなく、その家族を狙うという犯行が卑劣で、観ている人にいやな気分を与えるのでしょう。
 その点も含めて効果的な”復讐”の仕方が描かれていて、構成だけでなく”復讐”というテーマを深く扱ったものと思います。
 死を恐れない者への”復讐”のあり方にそれが伺えます。

 ネット上では、命の重さを問う女教師が、復習のために犯人の母親の命を奪ったのかどうかが議論されているようですが。
 私見では、女教師は犯人の母親の命をうばったりしないと思います。
 犯人の男子生徒が一番苦しいのは、一生、母親が自分を受け容れてくれないことです。
 犯人の母親は生きていて、犯罪者となった男子生徒を一生”承認”することがない状況、これを作ることが女教師にとっての最高の復讐となります。
 犯人(それも実行犯ではなく知能犯である生徒)を心理的(知能的)に追い込むストーリーですから、こう考えた方が整合性がとれるでしょう。

 さて、個人的には、冒頭の部分から大人と子どもの差を意識しながら観ていました。
 冒頭で、女教師が「あなたがた(生徒たち)を”信じることができなく”なりました」というセリフがあります。
 女教師が生徒を信じないのに、生徒たちは女教師の話や言葉を信じているところが、非対称的で面白く感じました。
 女教師には”復讐する”という大義あります。大義があると人は相手の話を信じやすくなるのでしょう。

 また、この作品は、2010年当時までの世論を反映しているように思いました。
 すなわち、幼少期の親子関係が子どもの心理に大きな影響を与えうるというもの。
 親子関係を見直そうという教育書や余暇の過ごし方を提案した雑誌が多かったような記憶があります。
 最近では、”貧困”が子どもの将来に影響を与えるという論調が盛んになってきました。
 子どもが、家庭の構成員から社会の構成員として、より強く意識されるようになったのかなと思います。

 個人的には、けっこう楽しめた映画でした。

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