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2021/07/15

「人財」という言葉と「バカの壁」

今年は、所属団体のいくつかの総会をWEBで見ることができた。
そのひとつの総会資料において「人財」という言葉が使われていた。
総会会場に出席していた会員のひとりから、「「人財」と印刷してあるが、これは誤植ではないのか」と質問があった。
執行部の説明によれば、将来にわたって活躍するであろう若い会員を人財と考えて使ったということだったが、質問者は「誤植なら、誤植と言えばいいだろう。日本語としておかしい」と一向に納得しない。
後で、個別に説明するということで、議事は進行された。

ここ10年くらいであろうか、ビジネス誌やビジネス書で、「これからの時代は、人材ではなく人財が大切だ」といった表現を何度も見かけたことがある。
3年前に改訂された広辞苑をみたところ、「人財」は未だ辞書には掲載されていない。WEBで検索できる辞書を調べたところ、大手出版社が運営しているものには出ていないようだ。
なるほど、辞書にないような言語を議案書に用いるのは不適切であろう。
日本語を使う人々が日本語として納得している範囲が辞書に収録されているとするならば、「人財」は造語に他ならない。使用するなら、カッコ書きで定義するなどの配慮が必要となるからだ。

上記の質疑を見ながら、2003年に養老孟司氏が書かれた「バカの壁」なる新書を思い出した。
特定の分野・範囲の人たちが、自分たちだけで使う言葉・常識を世間一般に通用すると勘違いすることがよくある、といった趣旨のことが紹介されていたのを覚えている。
業務の質や量を見るに、執行部は多大な貢献をしているわけで、この1点をもって特段に執行部を批判したいわけではない。
しかし、この質問ひとつでもって、執行部が「バカの壁」を作ってしまったことが伝わってくる。

もっとも、質問者の側も「バカの壁」を作っているのだろう。
この人が「人財」を知っていたかどうかはあまり重要ではない。この人が「人財」を使ってはいけないという考え方を自分の中に「壁」として作っていることがコミュニケーション上の問題に思える。
特に、見た目に80歳代で、おそらく専門家としても人としてもベテランだろう。
偉くなるだけでなく、年をとっても、言動と「バカの壁」には配慮しないと、権威や品位が落ちるものだと感じた。

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