読書:メディコ・ペンナ
メディコ・ペンナ 万年筆よろず相談
蓮見恭子著 2021/11/10 ポプラ社
万年筆調整士の方が、事例を紹介している本なのかと思って取り寄せたら、小説だった。
小説は年に1冊くらいしか読まない。今年はこれが唯一の小説になるかも。
ちょこっと、元気を取り戻したいという人にお勧めできる一冊かな。
自分を変えたいと思う人たちが集う万年筆ショップがお話の舞台。
客層は20代から70代以上と幅広く、それぞれの小さいながらも確実に成長している様子を描いている。
描写が軽い気がする。これがライトノベルというものなのか。ラノベとして売られてはいないようだが。
お客さんたちが持ち込む万年筆が、各メーカーの代表的なものばかりでわかりやすい。
店では、1本300円程度の普段使いのものから、20万円の高級モデルまで登場する。ペンファンとしては読んでいて楽しい。
万年筆を調整してもらいながら、店主が相談を受けるのだが、書き癖から、ストレスの高い仕事をしているとか、書く仕事をしているとか、言い当てる。
ちょっとペンに詳しいと、そのくらいのことはわかるのだけれど。
お客たちは相談したがって来店しているので、言い当てられると驚き、感激して、相談をする。なかなか占い師のテクっぽくて面白い。
そのあと、コーチングでお悩み解消・・・かと思ったらそうでもなく。
結局、客自身が店主から考えるきっかけを与えられたという程度で、あとは偶然うまくいったり、自分の努力でなんとかなったり。
客たちの成長に、ペン調整の話とコーチング話法の両方を絡めると何を伝えたいのかわからなくなってくるから、その程度でよいのかもしれない。
遅読家の私が4時間かけて293ページを読み終えた。日頃から読書をしているひとなら2時間くらいで読めるかも。
ちょこっと、元気が欲しいという人にお勧め。
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