2013/03/12

【2013年NO.02-06】税務調査がフル装備

 平成25年から改正国税通則法がスタートした。内容は、税務調査の方法が整備
され、法制化されたというものだ。

 税務署にとって有利なのか、納税者にとって有利なのか。一長一短といった感
じではあるが、調査を厳しくするかどうかは税務署の匙加減ひとつであることは
従来と変わらない。

 ただ、税務署が調査を行うにあたり、以下の事を明示しなければならないこと
が明らかになった。11項目もあるが、顧問税理士が代わりに聞くことができるの
で心配はない。

01.実地調査を行う旨
02.調査の開始日時
03.調査の開始場所
04.調査の目的
05.調査の対象税目
06.調査の対象期間
07.調査対象の帳簿書類、その他の物件
08.調査対象納税者の氏名・住所(居所)
09.調査する担当職員の氏名および所轄官署
10.調査開始日時又は場所の変更に関する事項
11.事前通知以外の事項

 当たり前だが、01.実地調査を行う旨、については、税務署から連絡があるの
で、納税者が受けることになる。
 その他については、顧問税理士に連絡してほしいと言えばよい。

 注目されているのは、税務署が納税者にとって不利益な処分をするときは、き
ちんと理由附記が必要になる。
 一方、すべての所得について記帳が義務付けられたことから、帳簿不備により
容易に青色事業者であることを取り消されることもありうるようになった。

 もっとも、人間同士のやりとりであるから、納税者が感情的になれば、調査官
も調査も厳しくなるだろう。嫌味の一つもいいたくなっても、そこは抑えるのが
得策に思う。
 だが、不遜な、無礼な態度をとる調査官については、本人にクレームをつけ、
すぐに税務署の総務課に電話し、担当者を変えるなり、態度を改めるなり、申入
れを行うことができる。
 調査官の態度が怖くて家人が卒倒してしまったという話も稀に聞くことがある。
そうしたときには、すかさず調査の中止を申し入れることだ。脅迫・強要された
場合は、警察を呼ぶことも可能。
 憲法は、国に向けて、国民の生命と財産を保障しているのだから、納税者や関
係者の命をかけてまでの調査はありえない。

(参考:社長のミカタ2013年2月号(エヌピー通信社))

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2013/03/08

【2013年NO.02-05】相続財産の中の金融資産を国に返還?

 社長のミカタ2013年2月号7面に、新閣僚の消費税、法人税、相続税に関する
方向性(上げるか、下げるか)を簡単な矢印で一覧にしている。

 その中で、行革担当大臣の稲田朋美氏の記事には理解に苦しむ。
 産経新聞に寄稿したものの抜粋なので、詳細まではわからないのだが。次のよ
うに抜粋記事が掲載されている。

 「相続税を支払う前に生前、国が負担した年金、医療、介護の全額もしくは一
部を、相続財産中の金融資産の範囲内で国に返還してもらうことも一方だろう」
とある。

 相続の最前線に関与する弁護士や税理士ならわかるだろうが、不動産があって
も現預金がないと納税ができない。結局、相続した不動産を売る羽目になる。
 バブル経済期の田園調布が相続により小さく区分されて売られたという事実は
記憶に新しいところだ。
 かろうじて不動産が残っても、今度は大工や植木屋の維持費がかかり、金融資
産が減って、「相続貧乏」になってしまう。

 同氏は、福井1区選出の自民党の副幹事長で、弁護士・税理士である。同氏の
政策を実現させたら、どんな悲惨なことが起きるか、職業上わかっているともう
のだが。
 寄稿文全文がわからないので、当否は明らかにできないが。あるいは、これも
不動産を流動化させる方策なのだろうか。理解に苦しむ記事である。

(参考:社長のミカタ2013年2月号(エヌピー通信社))

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2013/03/05

【2013年NO.02-04】新閣僚の税制方針について

 社長のミカタ2013年2月号7面に、新閣僚の消費税、法人税、相続税に関する
方向性(上げるか、下げるか)を簡単な矢印で一覧にしている。
 大方、消費税はアップ、法人税と相続税はダウンと表明している者が多い。

 そんな中、谷垣法務大臣だけは、相続税アップとしている。
 同氏の意図は知らないが、私は、相続税を上げることで、不動産の現金化、す
なわち、流動化を促すことができると思う。

 確かに、日本人には「一度手にした不動産は手放さない」という信仰に近い考
え方はあり、地方によっては、不動産が動かない主要因となっていることもある。

 だが、現預金よりも不動産の方が相続税の捕捉率は明らかに高い。また、ひと
つしかない相続財産が不動産で、それを共有相続するとトラブルになりやすい。
 さらに、高齢化が進み、施設に入居する人が増えていれば資金が必要になる。
 その上、増税となると、相続前後に売ろうという話が持ち上がってくるだろう。

 教育資金の贈与税を非課税にするという政策もよいとは思うが、不動産市場を
活用してインフレを起こそうと思うのであれば、相続税の増税も一考かもしれな
い。

(参考:社長のミカタ2013年2月号(エヌピー通信社))

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2013/03/01

【2013年NO.02-03】地価上昇で健全なインフレ?

 「社長のミカタ2013年2月号」4面を読んでいるのだが、「アベノミクス」よ
りも相続税で不動産を非課税にすれば、不動産の流通が活性化し、内需全体を刺
激できるという主旨のことが書かれている。
 バブル期を知る私としては、こういう記事を見ると、地上げ屋の復活、金融機
関による不動産投資への融資により、一般人が都内に住めなくなるのではないか
と懸念する。持てる者と持たざる者との差が開くように思われる。

 確かに、昭和の末と異なるのは、「投資」というものが国内中心ではなく、海
外に向けて活発に行われていることだ。
 政府や日銀がマネタリーベースを増加させても、その金が海外に抜けていくの
であれば、国内で2%のインフレ目標など達成されないだろう。

 では、不動産市況をどう活性化するのだろうか。
 人口が減少傾向であるわけだから、住宅政策による不動産市況の活性化は難し
い。それは、ここ20年の住宅取得控除が案外使われていないことでわかっている。
 となると生産やITの拠点を国内に置くくらいしか発想がわかない。アジアか
ら輸入しているものを国内で生産できるかというと、それは難しいだろう。
 ITはインドや韓国にとって換わられるおそれが常にある。

 不動産をどのように使うかが見えないことには、不動産市況の活性化はないと
思われる。結果、不動産を使ったインフレもないだろう。
 結局、国民ひとりひとりが海外に資金が流出しないように、消費活動や投資活
動を行うしかないように思えてくる。
 国や多くの国民が郵貯の資金を死守しているにも関わらず、海外に資金が抜け
ていくのは何とも歯がゆいところである。

(参考:社長のミカタ2013年2月号(エヌピー通信社))

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2013/02/26

【2013年NO.02-02】デフレがなぜ悪いか?

 デフレというと、暗に景気が悪くなって自分たちの生活が苦しくなるというイ
メージや印象が強いようだ。
 では、実際はどうかというと、中古マンションは買いやすいし、レストランは
ボリュームが増えてお得感があるし、洋品は安くなって、生活が楽になっている
局面も見受けられる。

 デフレの本来的な問題は、付加価値の減少が生じ、それが人件費、もしくは労
働者数の削減につながるということであろう。
 人にとって生きがいが減ることは生きていく上で苦しいことだと思われる。
 アベノミクスが功を奏するかどうかは、ひとえに失業率の低下を実現できるか
どうかにかかっているだろう。

 しかし、近年、20代、30代の間で、努力してもいい思いができない(いい思い
の定義も不明確なのだが)という風潮が蔓延しているようだ。
 ゆとり教育の影響で今の20代、30代は相対的に知識量を減らされ、作文力(思
考力、表現力)も抑えられた。
 その結果、「わらないから教えてもらって当たり前」という態度をとるように
思われる。

 個々人が自律しないと国の独立はありえない、と言ったのは「学問のすすめ」
を著した福沢諭吉先生だ。
 「学問のすすめ」も「論語」も超訳本であるが、ここのところ売上冊数を伸ば
しているようだ。
 世の中は良いようにバランス感覚で動いているものだと思わされる。
 もっとも、都立の中高一貫校では、入学試験(適性検査と称する)で、主に作
文力を問い、自治や自律に関心のあるリーダー体質の子どもを募っている。
 30年後、私たち40代が社会の中心から抜け、10代が社会の中心となる。世の中
が好転しているであろうことを見るのが楽しみである。

(参考:社長のミカタ2013年2月号(エヌピー通信社))

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2013/02/22

【2013年NO.02-01】6万社の倒産予備軍~金融円滑化法の適用期限切れ

 中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)が2013年3月末日をもって適用期限
を迎える。

 この法案は、2009年12月、時の金融大臣だった亀井静香氏が提案した法、とい
うより、連立政権下において内閣に制定させた法と言われている。
 確かにリーマン・ショックの影響により景気復活が遅れることが懸念された中、
中小企業の債務者にとって切札として歓迎されたものだった。
 当初から、経済評論家の中には、借金を踏み倒すようなモラルハザードを誘因
するとの反対論が強かった。

 これに対し、実際に首をくくらなければならないような人がいる以上、延命措
置は有益だったと主張する者がいる。
 逆に、2009年時点で倒産させてあげることができていたら、命までとられるこ
とはなかった。延命措置のお蔭で傷口が広がったと唱える者もいる。

 私の顧問先で同法の適用を受けていた社店は1件だけだったので、一般論を述
べることはできないが。
 その社店は、返済が滞った際、公庫に相談したところ、事業計画の実現性など
聞きもせずに、安易に貸してもらった。
 地道に本来業務を行っていれば黒字になるところ、安易な機材投資を行い、ま
た、マルチ商法に手を広げ、見事に失敗した。
 返済猶予は1年半に及び、残高は公庫から借りた分だけ増えた。

 亀井大臣とて安易に追加融資してやれ、と言ったわけではないだろうが、現場
では事業計画の審査もなく、苦しければ貸すというスタンスをとっていた。
 こういう事実がある以上、「延命措置のお蔭で傷口が広がった」というケース
も多いのではないだろうかと懸念するところだ。

 適用期限が切れた後について、金融庁としては、倒産しそうな社店について経
営革新等支援機関を斡旋し、事業計画を練り直させ、さらなる延命措置を図る。
 一度に6万社も倒産させてしまうと政府や政治家から叱られるから、順次倒産
させていこうという腹積もりのようだ。

 いずれにせよ、詳細で明確な事業計画を立てられないような中小企業は、会社
の明暗を分けるような借入をしてはならないだろう。

(参考:社長のミカタ2013年2月号(エヌピー通信社))

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2013/02/19

【2013年NO.01-09】社長の妻への給与

 社長の家族への給与は、給料なのか役員報酬なのか、という議論が税務上なさ
れる。

 私は20年以上前に親の会社の非常勤役員に就任したことがある。そのときの給
与は当然、役員報酬だった。
 だが、間もなく、会社の資産運用方針で意見が合わず、役員を降りて一従業員
として総務関係の手伝いを始めた。

 一社員なので、給与はいつでも変更できるし、残業代ももらえるかと思ってい
たところが、私の給与は役員報酬扱いであることを知り、驚いた。

 なるほど、社長の家族が”従業員だから”という理由で給料扱いになれば、役
員報酬に関する規定(原則として、決算後3か月以内しか役員報酬の変更決定は
できない)を簡単に潜脱できてしまう。
 常に、家族の1人だけを役員にして、他の家族は従業員にすればいいのだから。
 実際には家族というだけでなく、株式保有割合も関わってくるのだが、私の場
合、社内での力がない一従業員であるにもかかわらず、毎年定時総会で給与の見
直し決定がされている。

 税法の規定上は、一定割合の株式を持っている者や一部の配偶者も「みなし役
員」とされている。
 さらに、オヤジさんが亡くなったとき、保有株式を子どもにも相続させたとた
んに、従業員だった子どもが税務上役員になるケースがある。
 顧問税理士がこうした課税関係を感覚的に扱っていて、社長や奥さんに説明を
していないこともあるだろう。
 経営者として、記憶の端にとどめておきたい規定である。

(参考:社長のミカタ2013年1月号(エヌピー通信社))

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2013/02/15

【2013年NO.01-08】貸倒損失と税務

 貸倒れがあったからといって、税務上損金に認められるとは限らない。

 この取り扱いを知らない社長さんたちは非常に多く、また、規定が煩雑なため
に、ベテラン経理マンでも、実際に事例に当たらないと詳しいことを知らないこ
とが多い。

 要は、3つのケース以外では損金算入が認められないことを抑えておけば大丈
夫だ。
 第一に、会社更生法・民事再生法にかかったら、債権者集会での協議決定を基
に計算すること。
 第二に、担保がある時を別にして、債務者の資産状況や支払能力等から回収不
能が明らかとなった場合に損金にすること。
 第三に、継続的な取引を行っていたのに、債務者の資産状況、支払能力等が悪
化したため取引を停止し、その後、1年以上取引も弁済もない場合、備忘価額を
残して損金計上すること。

 第二と第三については、相手の決算書などを取り寄せて、資産状況や支払能力
等がないことを判断しなければならない。いわば、これが税務署に対する対抗策、
証拠となるわけだ。
 会社としては税理士と相談するわけだが、税理士が具体的な判断をすることが
できるかどうかはわからないだろう。
 債務が経常利益の何十倍もあるというケースなら、まず、倒産状態と言えるか
もしれないが、その境目はどこか・・・。
 もっとも、債権者側の会社があきらめるときは、相手がかなりひどい状態になっ
たときであることが多いので、あまり争点にはならないかもしれない。

(参考:社長のミカタ2013年1月号(エヌピー通信社))

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2013/02/12

【2013年NO.01-07】医療費助成金と確定申告

 健康保険で受診し、自己負担分を病院窓口や薬局で支払う。その年間合計額が
10万円を超えると医療費控除を受けられる、という話は知られている。

 この医療費控除に関する規定や手引書に「助成金を受けた分は差し引くこと」
と注意書きがある。
 生命保険会社などから補填された分については医療費控除に含められないわけ
だが、それ以外にどんなものがあるのだろうかと疑問に感じていたことがある。

 実は、意外にも私自身が10年ほど前に該当するケースを経験をした。
 中学生以下の子どもの場合、原則として保護者らが3割負担する。その3割に
ついて小学生以下なら東京都が、中学生以下ならや市区町村が負担してくれる。
 私の場合、子どもが札幌で治療を受けたとき、一旦全額を支払、地元に戻って
区役所に申請し、助成金を受けたことがある。

 この助成金を病院窓口で支払った医療費から控除する必要があるというわけだ。
 確かに、領収書と助成金の通知書を一緒に保管する人は少ないかもしれない。
 子ども関係の助成金は多いと思われる。
 税務署には、こうしたよくあるケースを例示してもらいたい。

(参考:社長のミカタ2013年1月号(エヌピー通信社))

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2013/02/08

【2013年NO.01-06】庭木・庭石の評価額

 譲渡所得の本を読んでいると「立木」を売却した時にどういった申告をすれば
よいかが書かれている。

 立木でも庭石でも、単独でそれだけを売り、1個30万円を超えるときは、譲渡
所得として課税される。

 一方、マイホームの一部として庭木、庭石をセットで売る時は、マイホーム売
却時の最高3,000万円控除の特例を受けることができる。
 また、売る年の1月1日に所有期間を5年超えていれば、長期譲渡所得の低い税
率15%が適用される(短期は30%)。
 さらに、売る年の1月1日に所有期間を10年超えたマイホームであれば、譲渡益
6,000万円部分について税率10%が適用される。

 実際、庭木も庭石も単独で売れるほどのものを保有してる庶民は少ないだろう。
特例枠が6,000万円ということからしても、相続税の納税を促す施策のような気
もする。

(参考:社長のミカタ2013年1月号(エヌピー通信社))

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