4.25 社宅や寮をフル活用しよう
◆社宅や寮費が安いのは
社員に対して社宅や寮などを貸す場合、以下の3つの合計額以上の家賃をとっ
ていれば、所得税の課税はありません。なお、役員の社宅は別計算です。
(1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
(2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
(3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
もともと宅地ですから、独身寮なら(1)から(3)の合計額で1万円にも満たない
こともあります。社宅や寮を多く所有する大企業に、就職希望者が集中する理由
のひとつでもあります。
なお、この規定は家族社員でも適用されます。同族企業なら、この制度を利用
して、家賃を会社に負担させて、個人の蓄財を増やすことができます。つまり、
所得税なしで会社から財産を移転できる計算です。
それだけに、税務調査で否認されないように、きちんと規程を作り、株主総会
などで承認を受けておくことが大切です。
◆都心の場合は半額負担の基準を使う
上記の基準額より安く貸している場合、差額は給与課税されるのが原則です。
しかし、社員から受け取っている家賃が、基準額の50%以上であれば、差額は、
給与として課税されません。
例えば、基準額1万円のところ、社員から6千円の家賃を受け取れば、差額の
4千円は給与として課税されません。
首都圏では、宅地といえども高いので、土地の評価額が300万円というところ
もあり、基準額が10万円に達することもあります。
そういったロケーションでは、50%基準を使うとよいでしょう。
◆小規模なら社長でも入居できる
役員でも30坪以下の物件であれば、同様の扱いを受けることができます。ただ
し、上記の50%基準についての通達はありませんので、基準額を本人が負担する
ことになります。
役員が豪華社宅に入る場合は、基準額の計算が違いますので、顧問税理士や税
務署で確認して、しっかり対策をとっておくことが大切です。
参考HP http://www.taxanser.nta.go.jp/2600.htm
なお、現金で支給される住宅手当、社員が直接契約している場合の家賃負担は、
社宅のためとしても給与として課税されます。
また、看護師や守衛など特殊な職業で、業務上、事業所の近くに居住しなけれ
ばならない場合に社宅や寮を貸す場合には、家賃が無料でも給与課税はないもの
とされています。
◆会社所有と会社転貸は同じ扱い
会社が所有している社宅や寮であっても、他から借りた物件であっても、前述
の金額が家賃の基準額となります。
社宅や寮などを転貸する場合にも、固定資産税の課税標準額などの確認をする
ことが必要です。
不動産屋を通して、大家に固定資産税の評価証明を取り寄せてもらってもいい
でしょう。親しい相手なら固定資産税の通知明細のコピーをもらってもいいでしょ
う。
会社の実情に合わせて、社宅利用規程を作成しておきましょう。
税務問題については、上記の基準額が明確ですし、3年に1度の割合で評価額
の改定がなされます。規程の中には上述の計算式を記載し、具体的な金額を書か
ない方がよいでしょう。
それよりも、社宅利用規程では、社宅を大切に使ってもらうための心得に重点
をおいて作成する必要があります。
また、労使間で入居できる者の範囲を決めておく会社もあります。
(所得税法9条、36条、所得税施行令21条、所得税基本通達9-9、36-15、36-41、
36-45、36-47)
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)





最近のコメント